授業

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(そろそろ動きだしてもいい頃だろう…) 眼鏡をかけ直し、高貴は瞳の奥で笑う。 (最初の獲物は誰がいいかな) 高貴が喉を鳴らし笑っていると誰が気付くだろう。 この煩い教室で何人が自分が標的(ターゲット)として高貴に目を付けられていると知る者がはたしているのだろうか。 その答えはゼロだ。 温厚無知のこの男がまさか…などと考える者などいないだろう。 ましてやそれが自らの身に降り掛かると想像する者がいるはずがない。 彼の素顔を知る者はほんの極僅かしかいないのだから。
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