【とある男の日曜日】  

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学校があった。 道沿いにあるその学校は、日曜だというのに門が開き、カラフルなポロシャツを着た女の子がなにやら叫んでいる。 部活ではないらしい。 門の上には手作りのアーチ。 周りには紙で作られた花、黄と赤が交互に貼られていた。 アーチの中には毛筆で、 『文化祭』 と武骨に書いてある。 毛筆と花がなんともミスマッチのアーチだった。 男が学校を見上げながら女の子に近付く。 少女は笑顔で挨拶してきた。 男も軽く微笑んで挨拶し、なにやってるんだいと問い掛ける。 少女は待ってましたと言わんばかりに説明しだした。 ここは小学校から高校まで、有名ではないがレベルは低くない一貫性校。 今日は文化祭なので、小学生から高校生全員、真剣に取り組んできた出し物を無料で見せているとのこと。 食べ物から劇まで、いろんな出し物があるから時間があるんであれば見ていかないかと少女は言った。 男は少女からパンフレットを受け取り、これはいつまでやっているのかと訊く。 今日の夕方までと言う少女の返事を聞いて、男は学校の真ん中にある時計を見た。 あと4時間ほどで日が暮れる時刻。 「じゃあ……ちょっと見ていこうかな。 どうせすることも無いしね」 「ありがとうございまあす!」 少女が元気に叫ぶ。 そして、 「ちなみに、私達のクラスは中等部の2年3組です」 しっかりと宣伝してから、男を中に入れた。  
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