【初等部 2―1】  

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まず男が来たのは、初等部の校舎だった。 中等部や高等部と違い、通学年数が倍あるせいか校舎自体がかなり巨大(でか)い。 下駄箱にあったコンビニ袋に靴を入れ、用意されていたスリッパを履き、中に入る。 途端に子どもが寄ってきた。 まだ小さい子どもだった。男の子2人だった。 「ぼく達のクラスを見に来てよ」 「すぐ近くだから」 まだ声変わりしていない、高い声で話しかけてくる。 2人共上下真っ黒の服を来ていた。靴も真っ黒である。 顔は黒くはなかったが、爪はなにか塗ってあり黒く光沢が出来ていた。 「君達のクラスはなにをしているんだい?」 「創作物語だよ」 「全部ぼく達が作ったんだ」 笑顔で2人が言った。 「そうか」 男はテンションの違いに戸惑いながらも、彼らの教室がどこかと尋ねる。 「見てくれるの!」 「ああ。興味はあるからね」 「じゃあ着いてきて!」 「案内してくれるのかい?」 「うん!」「もちろん!」 2人が同時に叫び、男の手を引いて廊下を進んでいく。 やがて、2―1とプレートがかけてある教室の前で止まった。 「ここかい?」 男は問い、 「うん」「うん」 男の子が肯いた。 「それじゃあ~」 「お楽しみくださ~い」 男の子がドアを開けたので、男は中に入る。 「【黒猫LIFE】始まります」 どこからかそんな声が聞こえ、そして始まった。  
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