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奇妙な沈黙が流れる。
ルシュフェルは探るような目で俺の言葉を待っているけど・・・動揺してなかなか言葉が出てこない。
だけどこの空気に耐えきれなくなり思わず先に口を開いた。
「俺を護ってくれた事に対しては礼を言う。
でもどうしてこんな所まで来たんだ?
・・・お前にも帰る場所はあるだろうに」
『帰る場所』、そう俺が口にすると何故か言いにくそうにルシュフェルは応える。
「・・・僕ね、ずっとずっと潤を護り続けてきたんだ。
肉体が産まれるより先――魂が生まれた時から。
仲間や魔王様から反感も買ったけど、こんな綺麗な魂を奪わせてはいけないって言い続けてきた。
・・・だけど」
そこで一瞬淋しそうな顔をして一呼吸置く。
「つい先日魔王様から呼び出しを受けてね?
お前がやっている事は我々悪魔を死線に追いやる行為だ、って言われたんだ」
息が、止まるかと思った。
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