原文

8/27
前へ
/101ページ
次へ
毎日の出勤途中や帰宅途中に 「どうにかして事故にあわないだろうか、どうにか事故に見せかけて死ねないだろうか」 とばかり考えるようになった。 朝家を出てから帰宅するまで、気がついたら一言も言葉を発していない日が続いた。 そしてもうひとつ、気づけば半年も生理が止まっていた。 しかしもともとの生理不順もあり、とにかく仕事に行くことだけで精一杯だった私は、そんなことすら気にする余裕がなかった。 さすがにそれを聞いて驚いた母にすぐに病院に連れて行かれ診察してもらったが、体に異常はなかった。 そして精神神経科をすすめられ、そこで診断されたのが抑鬱状態ということだった。 先生に職場での状況を説明すると、 「今の仕事向いてないんじゃないですか?他の仕事探せばいくらでもあるでしょう。辞めたらいいんじゃないですか?」 とあっさり言われたのだった。
/101ページ

最初のコメントを投稿しよう!

793人が本棚に入れています
本棚に追加