原文

12/27
前へ
/101ページ
次へ
仕事以外の場でもそうだった。 自分でたてた予定の通りに行動できず、家を出るその瞬間まで本当に家を出れるかわからないのだ。 学生の頃からドタキャン王と呼ばれていた私は、もう人と約束するということはしなくなっていた。 いつも「行けたら行く。」と言うことにしていた。 しかし誰との約束でもない自分自身でたてた予定の通りにも行動できず、そのための準備も全て無駄になってしまうのだった。 「こんなだらしないダメ人間、他にいるんだろうか。」と、そして「どうしてみんなは決めたとおりに行動できるのか?」と、とても不思議だった。 「こんなおかしな人間だなんて、絶対ひとには言えない。」 と思っていた。
/101ページ

最初のコメントを投稿しよう!

793人が本棚に入れています
本棚に追加