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カッパ座はバスとトラックで全国を旅しながらぬいぐるみ劇を上演する劇団で、小さい頃から母と見続けていたのでよく知っていた。
童話をミュージカル仕立てにして演じる、児童教育劇団だ。
小さな頃からそれらの作品を見て、『弱いものへの思いやり、理解しあうことの大切さ、素直な心の大切さ』などを自然に身につけてきたように思う。
カッパ座の作品に救われてきた自分が、今度は誰かが救われるための働きが出来るのかもしれないと思うと、自分の生きる意味、生きてきた意味をやっと見つけた思いだった。
とはいえ、ルールを守ることが苦手で他人のペースにあわせることに多大な労力を必要とするADHDの特徴を持つ私には、そんな集団生活はとても無理なように思えた。
親も周りももちろん大反対だった。
しかし
「好きなことなら辛くても頑張れるハズ!」
と思った私は、とにかくその道で生きていきたいこと、やってみてダメなら諦めもつくということ、自分の納得がいくまで挑戦してみたいということを激しく主張した。
結果、両親もついに理解してくれ、職場の人達からも応援されてカッパ座に入団することが出来た。
公務員生活は2年と10ヶ月で終わった。
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