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高校時代、私が誉められたのは『存在感』だった。 「舞台上での存在感には自信持っていいよ。」 と言われたのは、自分では『目の力』ではないかと思っていた。 人から見られたい、自分の思いを伝えたい、そんな自分自身のエネルギーが全て目に現れて、そこに存在感が生まれるのではないかと。 しかしぬいぐるみをかぶれば自分の顔は隠れる。勿論目も。ぬいぐるみの目からエネルギーや表情を出さなければならないのだ。 それはまったくの未知の世界で、自分には畑違いのようですっかり戸惑ってしまった。 「舞台に立つってこんな難しいことだっけ………!?」と。
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