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私は、明るさと笑顔さえあれば何も怖いものはないと思っていた。 例え怖い人に出会って殺されそうになったとしても、殺される瞬間まで「アハハ~」と笑っていれば気持ちまで笑顔のまま死ねるとすら思っていた。 何一つ問題になり得なかった。 自分のことだけを考えていたからだ。 周りに与える影響、悲しみや衝撃などに考えも及ばなかったから。 しかし成長するにつれ確かに危ない目に遭うようになり、それまで 「明るく素直で人なつこい」 と誉められていた部分が 「警戒心が無さ過ぎる、無防備だ」 と、直さなくてはいけない部分になってしまった。 なんだか自分をいきなり否定され自分自身を変えられてしまうような気がして、大人になりたくないと強く思うようになった。
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