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机の前に一日中座っていることが苦痛でたまらなかったのだ。 学生の頃は休み時間や体育の時間もあり、放課後には部活があってみんなとはしゃいだり歌ったり…自然と思いっきりエネルギーを発散していたようなのだが、そのエネルギーを放出する場がまったくなくなってしまったのだ。 そしてそれまでは『愛嬌』と笑って済まされていた度重なるうっかりミスが、笑われるどころか致命的なマイナスになりとても許されることではなくなってしまった。 「明るい」と言われていた長所が「うるさい、もっと大人になりなさい」と言われることになり、失敗しても注意を受けても「笑顔だけは失わないように」としていたら、「反省していない、何も考えてない」と思われることになってしまった。 そして何より一番自信を失うことになったのが、時間を守れずに遅刻ばかりすることだった。 「人として最低限のことも守れない、ただ周りに迷惑をかけるためだけに存在しているのならいなくなった方がいいのでは」と、数ヶ月も経たないうちにすっかり萎縮してしまい頭も体もガチガチに固まってしまった。
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