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「――――ロリコン」
「ちょっと、叶くんっ!! 聞こえてますけど!?」
加奈子を抱きかかえるような状態になった志木の姿を見て叶がボソッと呟く。
そんな叶に志木は反論する。
「これはたまたまこうなっただけで、僕ちゃん、ロリコンじゃないです!!」
「どうだか」
「ちょっ!! 僕ちゃんのタイプはボンッ、キュッ、ボンッ! な大人な女性ですっ」
「黙れ、ロリコン」
まだ何か訴え続けている志木を無視し、叶は志木の胸の中で何が起こっているのか分からず目をパチクリしている加奈子に声をかける。
「おい、大丈夫か?」
叶の問いかけに加奈子は驚いている表情のまま叶の顔を見て、小さく頷く。
「よし、じゃあ、行くぞ」
それだけ言うと叶はさっさと自分だけ部屋の外へと行ってしまう。
「ちょっと、叶くん! 一人でさっさと行かないのぉ~!!」
慌てて志木は加奈子の手を引いて叶の後を追いかける。
「あたし……歩いてる?」
志木に手を引っ張られながらも自分の足で動いていることに加奈子は再び驚いたように目を丸くする。
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