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「あ、あの……」
景色を眺めていた加奈子は視線を志木へと移すと躊躇いがちに声をかける。
「ん? どうしたの?」
「聞きたいことが、あるんですけど……」
「何々?」
「あたし、小さい頃から下半身麻痺? っていうので自分の足で歩いたり、走ったりすることが出来なかったんです……。なのに……」
「何で今歩いたり走ったりできるのか? ってことでしょ?」
質問を先回りされた加奈子は大人しくこくりと頷く。
志木は少し考え込むように「うーん……」と唸っていたが、考えがまとまったのか加奈子の方を向きへらっと笑うと説明をする。
「さっき、俺が大鎌持ってたの覚えてる?」
志木の問いに加奈子は自分の部屋にいた時のことを思い出し、頷く。
「あの大鎌は、人の魂と肉体とを切り離す道具なんだ」
「魂と肉体を、切り離す……?」
よく分かっていないように加奈子は首を傾げて志木の言葉を繰り返す。
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