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家の中に入ると叶は迷うことなく二階にある子供部屋へと入っていく。
子供部屋の中にはベッドで上半身を起こして窓の外を眺めている一人の少女がいる。
叶がその少女のそばまで歩いていくと、少女が気付いたかのように振り向く。
「誰、ですか……?」
見知らぬ人間のいきなりの訪問に少女が戸惑ったように尋ねる。
「お前を迎えにきた」
叶の言葉に少女は一瞬何かを悟ったように目を見開くが、すぐに諦めたような表情をして俯く。
「そう、ですか……」
小さくそう言う少女を叶はただ無表情で眺める。
「叶く~ん、いきなり核心をぶっちゃけたらダメだよぉ~」
間延びした声でそう叶を窘めて志木は少女と同じ目線まで屈んでにんまりと叶が言うには馬鹿面で少女に笑いかける。
「どぉ~も、佐伯加奈子ちゃん?」
またまたいきなり出てきた髪の毛の赤い男にそう問いかけられて加奈子は驚きながらも頷く。
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