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「俺、志木っつーの。よろしくね!」
ニコニコ笑いながら志木は自分の右手を差し出すと強引に加奈子と握手をする。
「で、こっちの怖いお兄さんが叶くん」
「お前、殺すぞ?」
「ね? 怖いでしょ?」
志木の紹介の仕方にイラついた叶は射殺さんばかりに殺気を放って志木を睨みつける。
そんな叶の視線に志木は自分の体を抱きしめてオーバーに怖がって見せる。
「あたし……死ぬの?」
「うん……」
そんな二人のやり取りを無視して加奈子が志木に問いかける。
その問いに志木は眉をハの字にして頷く。
「そっか……」
加奈子はそう呟くと再び俯く。
「一つだけ願いを言え」
突然の叶の言葉に少女は顔を上げる。
「え……?」
「俺達は死神と天使で、君を迎えに来たんだけど、君の願い事を一つだけ叶えてあげれるんだ」
叶の言葉の意味が分からなかった加奈子に志木が補足説明をする。
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