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「死神と、天使……?」
「そうなの~! 何か願い事ある? あったらこの怖いお兄さんが叶えてくれるよ♪……あだっ!」
加奈子の問いに満面の馬鹿面でそう答えながら叶を指差す志木の脳天に、後ろに立っていた叶の踵落としが見事に決まる。
「お前、殺すぞ?」
「……もう僕ちゃん、死にそうですけどぉ~……」
「ぷっ、あはは、あはははっ!」
二人のやり取りを見ていた加奈子が可笑しそうに笑いだす。
初めて見る加奈子の明るい顔に叶と志木は小さく息を吐き出すと頬を緩ませる。
「で、何かある?」
志木の問いに加奈子は少し考えるように視線を上へと向ける。
「――外で、遊びたい」
「え?」
ポツリと呟いた加奈子に志木は聞き返す。
「――外で、遊びたい!」
今度はさっきより少し大きな声で言う。
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