決断

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将希にはユイとの別れを惜しんでいる暇など無かった。 〔茉里の疑い〕がどれ程のものなのか、予想がつかない今、焦りだけが先に立ってくる。 そんな自分を見られ、北條に茉里との関係を悟られても困ると、将希は『眠いから帰る』と理由をつけて、足早に店を後にした。 自宅へ帰る車内の中でも将希の頭の中は、茉里の事でイッパイだった。 待ち合わせの時間まで約2時間。 だが、それは〔仕事をしていれば〕の時間であり、仕事を休んだ今の将希にとって、30分もあれば茉里の自宅へ向かう事が出来る。 将希の一つ目の問題は、待ち合わせの時間だった。
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