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「……今と、真逆だな。」
そう言った勝の顔は、物凄く引きつっていた。
「今は、容姿端麗、頭脳明晰、運動神経抜群、クールで無表情で素っ気ない奴だぜ?」
「なんでこうなったのかなあ?」
咲は首を傾けた。
そんな様子の咲を見てから、どこか遠くの一点に視点を移して言った。
「知らん。だけども、漠然と強くなりたいと思っていたのは事実だ。」
咲は目を丸くした。
「あの祐人からこんな台詞が聞けるなんてねー。」
その言葉に、勝がニヤリと笑う。
「今じゃ俺と参考書と筋トレしか友達いないんだぜ?」
「うわあ。昔だったら有り得ない。」
祐人は勝を睨み付けた。
「お前が知らないだけの話だ。……少ないがな。」
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