1:崩れる日常

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「ま、いいや。さっさと行きましょ。混み始めちゃう!」 そのセリフに2人は頷いた。 「そうだな!」 「…ああ。」 3人は駅の改札に吸い込まれていった。 電車に乗り、水族館に向かう。 その間、二人は楽しそうに会話していた。 時々「先生」という単語が出ることから、塾の話をしているのだと想像がつく。 故意に祐人を話に入れない為なのか、はたまた、祐人の存在を忘れているのか。 後者であるといいなと思いながら、駅の広告を見ていると、 「……ッ!」 いきなり、頭に鈍器で殴られたような痛みが走った。 こめかみを抑えると、しばらくして収まった。 最近、こんな頭痛が頻繁に起こる。 理由は分からないが、痛み止めが効かないので、そのまま放置している。
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