1:崩れる日常

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時が流れ、昼休み。 二人は昼飯を食べていた。 祐人は卵焼きを箸で挟んで言った。 「お前、本当に勇気あるよな。」 ご飯をかっこんでいた手を止めて、勝は祐人を見た。 「なにが?」 「あの先生の授業で寝れるのが。」 「そうか?」 「ああ。」 そう言って、祐人は卵焼きを口の中に入れる。 卵の味がふんわりと口の中に広がる。 その味に幸せそうに微笑む。 「…本当に幸せそうに食うよな。」 「そうか?」 そう言った時にはいつもの無表情に戻っていた。 勝は苦笑した。
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