1:崩れる日常

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「そういや話変わるけどさ、夏休み水族館行かねえ?」 祐人の眉が寄る。 「なんでお前なんかと行かなきゃいけないんだ?」 その声色は不機嫌そうだ。 勝は頭を下げ、手を合わせた。 「頼む!塾に好きな子いるんだけどさ、誘いづらいからお前にも来てほしいんだ!」 「よーするに一人じゃ気まずい、と?」 「そーゆうこと。だから、頼む!」 祐人はため息をついた。 正直乗り気ではないが、数少ない友人の頼み事だ。 「しょうがない。行ってやる。さりげなく2人っきりにしてやればいいんだろ。」 勝の顔が輝いた。 「サンキュー祐人!」 その声に、祐人は苦々しく顔をしかめた。
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