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全てが出会いから始まっていく。
出会いから全てが、始まっていくのかもしれない。
ランは道筋で決められた通りに出逢った。
「んーー気持ちい~!」
ラン・フィールは学校の屋上で空を見上げて叫んだ。
授業中で皆が真剣に学んでいる時間に、ランはサボリを満喫していた。
「綺麗な空。」
誰にだって高い高い空が、屋上にいるランには届きそうだ。
ランが住んでいる国は、学校が国の中心にあり、どの建物よりも一番の高さを誇るのは学校。
意味合いもある。
理由もある。
国の考えは
『子供』こそ『未来』であり、『希望』でもあるのだ。
国の全ての子供達は、どんなに遠くてもこの国唯一の、学校に通ってくる。
子供達の為の企業があり、守る為のボランティア団体もある。
『国の希望よ天高く。国の未来を大切に。』
国の古くからの考えである。
ランはその学校の中でも、優等生が集まるクラスの代表格でもあった。
授業の一つや二つ受けなくても、次の格生試験は合格ラインに達している程の優等生だった。
「空が青く輝いている。太陽は負ける気はない。その間を、曇がそそくさと駆ける。
それだけで、ここが地球だと分かるじゃないか。
ユユ・アスル。」
ランは、好きな詩人の詩を詠んだ。
太陽の日差しが、ランを眠気として襲う。
ランは男の割に、のんびり時を過ごすのが好きだ。
屋上に設置してある、ベンチに寝そべり、ランは、赤く燃えるような瞳を閉じた。
「気持ちいい。」
目を閉じると暗闇で、その中に一筋の光が差す。
キラキラと輝いている。
ドンドンと、ランに近づいてくるのが分かる。
「…?」
ランはパチッと目を開けて、空を見上げた。
眩しい太陽と青空。
それ以上に輝くモノが、ヒラヒラと空から落ちてくる。
「…羽根?」
目を凝らすと一枚の´羽`が舞い落ちてくる。
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