出逢い

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「とりあえず、自己紹介しません?」 と、切り出したのはラン。 落ち着いてみると、ランが通っている学校の制服を着ている。 この制服は毎年、デザイナーの大会で優勝を飾った者がデザインするので、とても格好いいのだ。 「僕は、ラン・フィール。趣味はギャンブルです。」 と、ランは飛びっきりの笑顔。 思わず彼女は笑い出して 「変わった趣味だな。」 と、心が和んだ。 「リラ・フォーカス。今日、転入してきたんだ。趣味は、本だな。」 ランとリラ。 2人は手を取り握手を交わす。 不思議な感覚だった。 初めて会う人と、いう感じがしない。 お互いの赤い瞳が、鏡をみるように同じで魅入ってしまう程。 2人は同じモノを感じていた。 手の温もりを感じて 名前を呼ぶ。 「ラン。」 「リラ…。」 ドクンッ ドクンッドクンッ 心臓の音が重なる。 ランとリラ。 2人は出逢った。 「どうする?」 リラは握る手に、力を込めてランに言った。 「進むべきか、戻るべきか…ですか?」 ランは瞳が力強い。 「ラン。とどまるっていう選択もある。」 「リラ。どうするべきかは、心の底では決まっているんです。」 ランとリラ。 2人は瞳を輝かせる。 そして… 握りあっていた手を離し、足は扉へと向かう。 途中、2人は目が合い笑い合う。 取っ手に両手で、手をかける。
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