プロローグ

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 僕は高く丈夫な外壁に守られた村に住んでいた。  大陸の南東に位置する辺境<イリス>。  大きな村ではないが、海に面しているため魚がよく穫れ、それなりの生活は確保出来ていた。  外に出れば魔物がウヨウヨいるため村は閉鎖的だったが、村から離れた海水に浸食されていない土地に田畑を作り、魔物に荒らされないよう戦士達が見張りをした。  そして出稼ぎの戦士達が持ち帰る物資を村のみんなで分け、人々の生活は潤った。  戦士達は帰ってくると村の外の話を聞かせてくれた。  魔物にやられた村の話を聞く度にガーランドは悲しくなった。  そういえば昔母さんが言ってたな。 [魔物達は悪くないの。悪いのは、魔物を操っている魔王よ] [魔王がいなくなればいいの?] […そうね…魔王がいなくなれば…]  もし魔王を倒せたら…もう悲劇は生まれない!  …時は来た。
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