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[じ]
―人生の中で―
今日は大好きな樹里亜ちゃんとデート。実はプレゼントも用意してある。
別に誕生日とか記念日とか、特別な日じゃない。
ある小さなお店で見つけた、可愛い指輪。
高くない、僕のおこずかいで買える安い指輪だけど、ハート型の小さなピンク色のストーンが可愛くて、樹里亜ちゃんに渡したかった。
喜んでくれるかな?笑ってくれるかな?僕のこと、もっと好きになってくれるかな?
こんな僕でも毎日不安なんだ。
付き合う前も付き合ってからも樹里亜ちゃんから“好き”の言葉を言ってもらったことがない。
そんなのにこだわるなんて、女の子みたいだって言われるかもしれない。でも、樹里亜ちゃんは卒業してるし、なかなか会えない。
不安で不安で仕方ない。
そのことを師匠に相談したら、指輪をあげるといいんだって。
“他の男を寄せつけないために、俺はやったよ?”
なんてかっこいい言葉をもらって、僕は急いで探しに行った。
だから今日はプチプロポーズをするの。
6月の花嫁、樹里亜ちゃんを一生大切に幸せにします!
なんて心で呟きながら、樹里亜ちゃんとのデートを楽しんだ。
―人生の中で―
(大切な女の子は樹里亜ちゃん)
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