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「おい、なにぼーっとしてんだよ」
「いたっ!!」
ぼんやり外を眺めていたら、いきなりオデコに衝撃が走った。
声の主は、声音と同じ、不機嫌そうな顔。
「何すんのよ、稜平!!!!」
「何って…デコピン」
そんなことはわかってるわよ!!!!
その言葉をゴクンと飲み込んで、私はタンコブが出来そうなオデコをさする。
女の子に手を挙げちゃいけないんだって、わかってるのかなぁ?
「何してんだよ?」
「………別に」
視線の先を悟られたくなくて、私は鞄に荷物を詰めはじめる。
でも私の気持ちは通じてないようで、勘の良い稜平はさっきまで見ていた私の視線を辿り、あぁ…と呟いた。
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