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「………ごめん…ね?」
「…別に」
すっかりオレンジ色に染まった空。
先を歩く稜平も、オレンジ色に染まってる。
結局、稜平の腕の中でひとしきり大泣きして、私が落ち着いたときには日が傾いていた。
「………」
「…………」
何となく気まずくて、恥ずかしくて…。
私たちは無言で歩く。
先を歩く稜平の背中が、とてもかっこよく見えて…
『あぁ…稜平も、男の子なんだなぁ…』
なんて思ったら、さっきまで私を抱きしめてくれたあの力強い腕の感触を思い出して、私は顔が熱くなるのを感じた。
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