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「あの…さ」
「ん?」
振り向かない、けれどとても優しい返事に私は嬉しくなった。
「ありがと、付き合ってくれて」
「……あ、あぁ…別に…」
俺は何もしてねえよ。
稜平はそういって歩く速度を落とした。
そして私の隣に並ぶ。
「お前があんな顔してんのに、放っとける訳がねぇだろ」
クシャッと私の頭を撫でたその横顔が、微かに朱く見えたのは、夕日の魔法のせいかな?
稜平は今まで見たことがないような優しい顔で、私を見ていた。
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