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「ずいぶんすっきりですね」
「剥ぎ取れるもんは全部バラして売っちまったんだろうな。今下ろしてやるよ」
「あ、すんません」
クレーンでZを下ろしてもらうと中身も本当に何もなかった。そしてフレーム番号をみるとやはり俺が乗っていたZだった。
「あのエンジンも結構速かったんですけどねぇ」
「たしか3.1メカだっけか?」
「そうです。鍛造の89ΦピストンにクランクもLD28ベースにタフトライド加工してキャブもソレックスの50入れてましたから」
「パワーは大体300ぐらいか」
「ですね、まぁド素人が組んだにしちゃ上出来でしたよ」
「まぁ、300でてりゃな。ところでまた130乗るのか?」
「本当のところ乗りたいですね」
「これなら3万で持ってっていいぞ」
「本当すか?」
「あぁ、まぁ見ての通りドンガラだしな」
「んじゃ買いますよ。ただもう少し置いといてもらえないですか?置く場所探すんで」
「あぁ、いいよ」
そんな感じで今は住まいごとこの賃貸のガレージハウスに越してきてZが置いてあるのだ。
「さて、買ったはいいがボディだけだしな、パーツやら工具もそろえ直しだな」
俺の顔はにやけていた。
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