ナツコ      

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何故、母はあんな屑みたいな男を選んだのだろう。 父が死んでから未だ二年しか経っていないと言うのに。 学校で過ごす時間だけが唯一の安らぎ。 こうして机に座り、授業を受けてる時間さえ私にとっては天国だ。 友達と他愛のない話をして笑い、家を忘れるこの一時だけが救いの毎日。 もう帰りたくない。 あんな男が居座る家には帰りたくない。 父さんには見えているのだろうか。 この、悍ましい毎日が空から見えているだろうか。 嘆いているのなら、この手を引っ張ってあの世へ連れて行って欲しい。 空に願って思い切り両手を翳すから、ナツコと私をどうか連れて行って。
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