第1章 「魔術協会からの手紙」

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この会社、いや会社と言えるのか解らないが…。取り敢えず一言で言えば、不良社員が多すぎる。 僕の横にいるこの水越部長、部長であるにもかかわらず、一ヶ月に三、四回くらいしか出勤しないし、他の社員だってそうだ。 僕の前の席でグウタラと寝ている水商売系のフレイア課長(仮名)も、副業である夜の仕事を頑張り過ぎていつも二日酔い。 その隣でいつも机の上に高級なお菓子を並べ、お茶ばかりして仕事を全くしない室町次長。 その他にも色々変な社員がいるが、それを挙げたらキリがない。 こうなったら彼女にどうにかしてもらうしかない。  「水蓮寺部長!ここの社員は全員フリーダム過ぎます!部長から一度ビシッと言ってやって下さい!!」  「……あら水無月係長、どうしたの急に?」 水蓮寺部長。この美しく、大和撫子と言う言葉がしっくりくる彼女は、唯一この会社で話が解る人だ。  「はっきり言ってこの会社で真面目に仕事をしてるのは、水蓮寺部長だけです!…僕はもっと皆にやる気を出して貰いたいんですよ!」  「……………うん。君の熱意は伝わったわ、じゃあ今度私から皆に言ってみるわね。」 やはりこの人は頼りになる上司だ。
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