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「……あぁそうそう、水無月係長宛てに手紙が届いてたわよ。」
そう言うと、水蓮寺部長は机の引き出しの中から一通の封筒を取りだし、僕に渡した。
「……手紙、ですか?」
封筒には確かに僕宛てと書いてあったが、差出人の名前が書いてなかった。
「差出人の名前が書いてないでしょ?……何かあやしいと思って実は中見ちゃったのよ私、…するとね、中にあったのは何も書いてない白紙の紙が一枚入ってただけなのよ。」
白紙の紙?差出人の名前が記載されていない?
「…………てゆうか、人の郵便物勝手に覗かないで下さいよ部長。」
水蓮寺部長はゴメーンと可愛いらしく両手を合わせて謝った。
取り敢えず僕は封筒の中身を取りだしてみた。
……裏表まんべんなく確認したが、確かに何も書いてない白紙だ。
「変よねぇ、新手の呪いの手紙とかかしら?」
「火とかであぶると文字が浮かんでくるとか、そういうのじゃねぇか?」
話を聞いていた水越部長が鼻くそをホジリながらこちらに来た。
「うーん、実はそういう事もやってみたんだけど、何も起きなかったわ。」
…やったんですか!?
「……だとしたら、多分まだやってない事がありそうですね。」
正しいという根拠はないが、そういうので僕は一つ思いあたるやり方を知っている。
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