第一章 異端の赤雪姫

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担任のアリア・バースも、自己紹介をしながらヴィークに熱い視線を送っていることに気づき幻滅……。 「……では、一人ずつ、立って名前と一言何か言ってください」 新学期お馴染みの自己紹介に入り、生徒たちは思い思いに趣味や性格について補足する。覚える気がない私だが、女子のヴィークに対するアピールの凄さに辟易した。 ヴィークの番になると、教室がしんと静まる。ヴィークはすっと立ち上がると、微笑んだ。 「ヴィーク・セランダインです。この学校は生徒も授業も素晴らしいと伺い、父に無理を言って通わせてもらうことになりました」 よろしくお願いします、と礼をすると、拍手が沸き起こる。女子はもちろんだが、男子も上流貴族の友人を作ろうと必死なようだ。 私は呆れて物も言えなかったが、もうすぐ自分の番なので、制服を整えておく……どうせ嫌われるだけだけど。
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