大阪ロマン

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 まずベッド。これが一番に違うところだ。ビジネスホテルとは、全く大きさが違う。それに座ってみたら、 「ウォーターベッドじゃん」  俺の動作に合わせてチャプチャプと水音がし、ベッドが波打つ。 「凄い……」  記念すべき人生初体験だ。喜ぶべきか悲しむべきか微妙だが。  部屋のなかもうろついてみる。  カウンターの上には飲み物セット。お茶とコーヒー。うん、このへんはそう違い無いようだ。  俺はソファに座ってホテルの案内をペラペラと捲ってみた。非常口の案内、各種設備の使い方、料金案内。……流石に料金が時間単位の設定なのは、ラブホだ。  ふんふんと納得していたのだが、あるページで俺の目は止まってしまった。 「うわ……、すご……」  そのページにはいわゆる「大人のおもちゃ」がカラーで載っていた。バイブくらいなら知っているが、使用目的が分からないものもあって。 「案外奥深いのかも……」  妙な関心をしてしまった。 「なにを熱心に読んでるんや?」  いつの間にか太田が戻って来ていた。 「いや、別に……パラパラ見てただけ」 「そうか。照明落とすか?」 「照明?」
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