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「そうか。照明落とすか?」
「照明?」
「ちょっと来てみ」
太田がベッドに乗り上げ、枕元のタッチパネルを指差した。俺も彼の後を追ってベッドに昇った。
太田が手元のパネルに触ると、室内の照明のタイプが切り替わった。明るくなったり暗くなったり、あるいはピンクになったり……。いろいろ試してみて、最終的にフットライトだけを点灯させた。
「いつもは俺の部屋やから、たまには違うのもええな」
太田はとても楽しそうだ。今度はBGMを選んでいる。これもたくさんチャンネルがあるようだ。
「ジャズでええか?」
「いいよ」
選局している太田の横で、俺はテレビのスイッチをオンにした。とたんにAVビデオが大音量で写しだされた。
「えっと……」
きっと前のカップルが見て、そのままだったのだろう。流れるのは気まずい空気だ。
「ソラはAV見たことあるか?」
「それくらい、あるさ」
「やっぱり?」
「当たり前。無い男の方が少ないって」
健全な男子なら、一度や二度は見たことがあるだろう。
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