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「広い……。さすがラブホ」
浴室を見た第一印象だ。家風呂よりかなり広い洗い場と大きな浴槽。男二人で入っても余裕だろう。てか、カップルで入ることが前提なんだから当たり前だよね。
俺はざっと体をながしてから、湯の中に体を沈めた。熱くもなく温くもなく適温だ。
「ソラ湯かげんどうや」
のんびりつかっていると、太田が浴室に入ってきた。
「一緒にはいるの……?」
「当たり前やん。こんなチャンス滅多にないねんで」
確かにに太田の部屋のユニットバスでは、二人で入るのはきつい 。
「はい。つめてや」
太田が浴槽につかる。俺の背後に周り、俺の腹に腕をまわしてきた。俺の背中と太田の胸がピタリと密着して、なんだか恥ずかしい。
「なあ、これ入れてみよか」
「なに?」
太田が俺に小さなパッケージを手渡した。 そのパッケージを見てみたら、どうも入浴剤のようだ。
「入浴剤?」
「ただの入浴剤ちゃうで。お湯がゼリー状になるらしい。さっき見つけたんや」
「ふーん……」
今ひとつイメージがわかない。でもどうなるのか興味はある。
「おもしろそうだな、入れてみようか」
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