大阪ロマン

22/39
前へ
/71ページ
次へ
「ソラ、入れてみ」 「うん」  俺は封を開け、中身をお湯にぶちまけた。浴槽内を撹拌していると、すぐに湯に変化が起こった。 「うわ、なんだこれ」 「おもろいなあ」  みるみる間に、お湯が固まった。例えるなら、フローズンアイスってところか? 緑色に着色してあるからメロンフローズンアイス。  試しに掌ですくってみたら、それはドロドロと流れおち、あきらかに液体だった湯とは違っている。 「ソラ」 「あ、こら太田」  太田の掌が意志をもって俺の体を這う。彼が動く度にお湯もどきも動き、ぞくぞくした感触が俺を襲う。それは気持ち悪いものではなく、寧ろ逆で……。 「ソラ……」 「んっ」  太田が俺の首筋に口付けてきた。太田は舌でうなじを舐めながら、俺の胸をいじり始めた。 「あっ……」  指の腹で乳首を押し潰され、俺は声を漏らせてしまった。触れられることに慣らされたそこは、いつの間にか快感を得られるようになっていた。 「感じるか……?」 「……ノーコメント」 「感じるんや」  笑いながら言われると、憎たらしい。何で太田ばっかり余裕なわけ?
/71ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1671人が本棚に入れています
本棚に追加