大阪ロマン

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 太田は俺の体を反転させ、互いの体が向き合った。 「ソラ」 「ちょっとだけだよ?」  あまいよな、俺も。でも好きな人に求められていると思ったら、やっぱり嬉しいじゃん。  太田の掌が俺の肩に置かれる。どちらともなく唇を寄せて。太田の唇は少し荒れた感触。  太田は舌で俺の唇を舐めてから、口の中に入ってくる。それは遠慮なく俺の口内を探って。歯列の裏をなぞって上顎をかすめて、俺の舌に絡みついてくる。 「んっ……」  唇の隙間から甘い息が漏れる。 「あかん……!」  はっとしたように太田が俺から離れた。 「えっ、何が……?」  急に行為をやめられて、俺は戸惑いを顔にのせてしまった。  はあ、と太田が大袈裟に溜め息をつく。 「これ以上すると、止められへんなる。ちょっと勃ってもおた」 「なんだよ、それ」  太田がとても情けない顔をするのでなんだか気の毒で。でも笑えて。 「ソラ、風呂に入る用意し」 「あ、うん」 「一緒に入るか?」 「別に俺はいいよ?」  笑いながら答えた俺を見て、また太田はため息を吐いた。
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