1671人が本棚に入れています
本棚に追加
太田は俺の体を反転させ、互いの体が向き合った。
「ソラ」
「ちょっとだけだよ?」
あまいよな、俺も。でも好きな人に求められていると思ったら、やっぱり嬉しいじゃん。
太田の掌が俺の肩に置かれる。どちらともなく唇を寄せて。太田の唇は少し荒れた感触。
太田は舌で俺の唇を舐めてから、口の中に入ってくる。それは遠慮なく俺の口内を探って。歯列の裏をなぞって上顎をかすめて、俺の舌に絡みついてくる。
「んっ……」
唇の隙間から甘い息が漏れる。
「あかん……!」
はっとしたように太田が俺から離れた。
「えっ、何が……?」
急に行為をやめられて、俺は戸惑いを顔にのせてしまった。
はあ、と太田が大袈裟に溜め息をつく。
「これ以上すると、止められへんなる。ちょっと勃ってもおた」
「なんだよ、それ」
太田がとても情けない顔をするのでなんだか気の毒で。でも笑えて。
「ソラ、風呂に入る用意し」
「あ、うん」
「一緒に入るか?」
「別に俺はいいよ?」
笑いながら答えた俺を見て、また太田はため息を吐いた。
最初のコメントを投稿しよう!