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――…♪ ~♪
左手をポケットへ入れ、右手でショップ袋をぶら下げながら、ユキヤは機嫌良さそうに鼻歌を唄う。
次はカラオケへ行く予定なのだが、足取りが軽快で速くなっているユキヤ。
私は、ついていくことに必死だった。
「ちょっ…ユキヤ、速いよー!!」
ようやく速度を落とし、遅れて歩く私の姿に気付く。
「トモ、足短いー。」
「失礼だな、普通だもん!! ユキヤが少し長いだけっ!!」
すると、ユキヤはポケットに入れていた左手を取り出し、私の手を掴んで再び歩き出した。
「…!」
大きな手に包まれると、どこか安心する。
ユキヤの肌に触れていることが、私にとって1番心地よいのかもしれない。
「…ねぇ。 ユキヤって、身長いくつあるの?」
「身長? 17Xくらいかな。」
「そんなに大きかったんだ…。」
「トモは、いつも高いヒール履いてるからな。 気付かなかったんだろ。」
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