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ジャラ…。
「はぁはぁ…。」
湿気が充満していてカビ臭い地下室で、それは浅い息をしていた。
四肢を鎖で繋がれ、常に立つ事を強いられていて、ロクに眠れた記憶がそれにはない。
姿を見る限りでは、それが男か女か判断する事は難しいだろう。
服はボロボロになり、所々に赤黒い染みと泥が附着している。
髪は、雑に切られていて、全く髪の毛が無く頭皮が見えている箇所すらある。
後ろ髪だけの一部だけが腰の辺りまで伸びていた。
服の切れた部分からは、肌が露出しているが、焦げた部分や痛々しい傷に今もジュクジュクした膿が溜まっている。
「はぁ…はぁ…。」
それは女だった。
彼女は、意識が朦朧とする中、既に生きる気力を無くしていた。
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