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第二章
そうして迎えた日曜は気持ちいいくらいの晴天。
遼平は車に乗って、彩乃の家に向かう。
「遼平! こっち!」
すでに表通りまで出ていた彩乃は遼平に向かって手を振る。
「なんだよ? 家で待ってればよかったのに、寒かっただろ?」
「ううん。平気。早く遼平に会いたかったんだもん」
「そりゃ、どうも」
彩乃を乗せてテーマパークへ向かって車を走らせる。
「なあ、彩乃。今日が何の日か覚えてるか?」
今日をデートに選んだのは偶然か、
それとも必然か……。
彩乃は今日の事を覚えているのだろうか。
「遼平は忘れてたでしょ?今日が告白記念日だって」
そう、今日は遼平が彩乃に小説をプレゼントした日。
つまりは、告白した日なのだ。
彩乃が先日、わざわざ出会った日のことを話題にしたのは、この日の事を覚えているかを確かめたんだろう。
「お、覚えてるに決まってるだろ。後ろの封筒、開けてみろよ」
後部座席の上にある封筒を指す。
彩乃は腕を伸ばしてその封筒を取ると、中を覗き込んだ。
幾枚もの紙が束になっているそれを封筒から取り出して、彩乃は呆然とした。
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