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「遼平……これ……」
それは、まさしく『告白』の続編。
『恋人』というタイトルの小説だった。
「彩乃にプレゼント。記念日だからな」
「いつの間に書いたの……?仕事で忙しいって言ってたのに」
「それは企業秘密です」
実はろくに睡眠も取らずに二日で仕上げて、
昨日書き上がったばかりだとは言えない。
彩乃の為だけに書かれた小説。
それを読み始める彩乃。
「おいおい、車の中で読んだら酔うぞ」
「大丈夫だもん。早く読みたいの」
真横で読まれるのはさすがに恥ずかしいものがあり、できれば帰ってから読んでほしいものだ。
さほど長い文章でもないその小説は、テーマパークに付く頃には読み終わっていた。
「遼平……ありがとう。最高のプレゼントだよ」
「そうか、それは光栄だ」
運転しながらちらりと彩乃を見た遼平はぎょっとした。
彩乃の頬を伝う涙を見てしまったから。
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