魔法レッスンと大袈裟な肩書き

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「まだマスターしとらんのに気ぃ早えぇーよっ!」 ニナの言葉に素早くツッコんだ朝日。 しかし二人は大いに盛り上がって、魔力の放出を試みている。 朝日はラムに"こんなんでいいんかな?"と呟いていたが、ラムは"キュウ~?"と鳴いて頭を横に傾けるだけであった。 朝日は何とか気を取り直し、放出のアドバイスを伝える。 「ニナには昨日言ったけど、放出をよりイメージしやすい言葉や呪文があれば使うといい。 魔卵に魔力を込めたアレと同じ。」 その言葉を聞いたニナはハッとして、何やら拳法のような構えをしだした。 そして右ストレートで殴るように拳を突き出す。 「うおおりゃああああーー!!」 気合いの言葉と共に突き出された拳から魔力が見事に放出され、その魔力は案山子の首を吹き飛ばしてしまった。 「や、やったぞーっ! って昨日と同じリアクションをするなぁーっ!」 ドスッ!ドスッ! 「「ごはあぁっ!」」 相手を殴りつけるように魔力を放出したニナを見て呆然とした朝日とマークに、成功したばかりの方法で魔力を打ち込んだニナ。 しかしラムには先程のことがトラウマになり"抱っこの刑"を敢行できなかったのであった。
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