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「ぼ、僕も、やってみます!」
ニナの魔力を腹に受けて悶絶していたマークは、何とか立ち上がって実行しようとする。
「精霊を信じて自分にも自信を持つんだ。
俺はやれるんだ!ってな。」
「そうよ!お前は精霊様を誰よりも信じてるんだ!
しっかり集中して後はイメージしやすい言葉で放出だっ!」
朝日とニナのアドバイスや声援がマークに送られる。
マークは二人のそんな思いに感極まりそうだったが、その気持ちも自分への糧として精霊そして自分を信じる材料とした。
案山子に手を翳し、マークは集中する。
「我に宿る精霊様。どうか力を与えたまえ。我が手よりその力を放ち、障害を退けん!いざっ、放出!」
ブオオォォー!
マークの魔力はまるで突風でも吹いたかのように案山子を20mほど後方に吹き飛ばしたのだった。
しかし、それよりも
「何?そのいかにもヒーローみたいな呪文は?」
「お、お前って、そんなキャラだったのか?」
マークがイメージを高めるために口にした詠唱に違和感を覚えた朝日とニナ。
ラムは既に面白さにキューキュー吠えている。
「精霊様はやはり偉大です!」
マークには周りの声が届いていなかった。
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