ここは何処?お前は何?

2/12
62949人が本棚に入れています
本棚に追加
/1305ページ
鬱蒼とした森の中、樹齢何百年はあろうかという程の高くそびえる大木の傍らに、朝日は俯せに倒れている。 そんな朝日の元に四足歩行で近づいてくる生物が一体。 その生物は朝日の頭元に後ろ足のみで起立し、前足で朝日の頭頂部をツンツンつつき始めた。 普段の朝日なら即座に飛び起き、「頭のてっぺん触るな弄るな叩くなボケェー! ハゲてまうやろー」 とか宣いそうだが、今回は何の反応もなし。 生物は「キュ?」と一声小さく鳴きながら頭を軽く傾け、しばらくすると今度は大きな口を開けて朝日の頭をガブリとひと噛み。 「いってぇーー!何が起こったー?」 朝日はあまりの痛みに一瞬にして俯せ状態からしゃがみ状態に早変わり。 生物は朝日の一連の挙動の反動で振り払われるように朝日から離れ、朝日の3m先ほどの場所に着地した。 人間、睡眠時に危機を察すると目を覚ますらしいが、朝日は寝ていたのであろうか?
/1305ページ

最初のコメントを投稿しよう!