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海原旭が目を覚まして最初に目に入った光景は木目の天井だった。木目の天井にはシミや汚れが多く年月が感じられた
「ここは何処なんだろう?確か俺は事故にあって」
体を起こしてみると服装は出発の時に着ていた物ではなく浴衣になっていた。周りを見回すとふすまと仏間があり、縁側からは暖かい風が流れ込んでいた。
どこか懐かしい雰囲気が流れるなか、海原旭は何故ここにいるのか考えていた。
すると縁側から誰かが歩いて来る音が聞こえてきた。海原旭は無意識に縁側の方を向く
縁側からお下げをした少女が桶を持って現れた。
「あ、気がついたのね。良かった~」
少女は少し驚いた顔をしたがすぐ来た方向から反対方向へ小走りで行ってしまう。
海原旭は少女の姿を見て考えた。
『あの服装はなんか古臭い感じがしたな。何でだろう?』
そうこう考えている内にさっきの少女が今度はおばあちゃんを連れて来た。
「あら目が覚めたのね。良かったわ~3日も目が覚めなかったからどうしようとおもったわ~」
おばあちゃんはそう言って海原旭の側に座りこむ
「でもまだ安静にしてね。お粥を作って来るから」
おばあちゃんはそう言って立ち上がりふすまを開けて出ていった。
何が起きたか解らないまま海原旭は呆然としていた。
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