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その後、ミヨは夕飯を作るためと言ってふすまの向こうに行ったが海原はただ呆然としていた。しかし、異世界に飛ばされた原因が解らないのである。
呆然としている近くでサヨは海原が行くとき着ていた服をたたんで
「これ、珍しい服だね。何処の物なの?」
言ってくるが答える気なはならず適当にはぐらかした。
サヨは海原に夕飯をご馳走してもらえばと言い、海原は了承してサヨにつれられて茶の間に行った。
茶の間には夕飯の準備が進まれていた。しかし三食分多いことに海原は気がついた。サヨは食器をちゃぶ台に置きながら
「今日はお兄ちゃんが久しぶりに帰ってくるからお祝いなの。」
と言っていた。海原も手伝い夕飯の片付けは程無くして終わった。
程無くしてサヨのお父さんとお母さんが帰って来た。海原は二人に挨拶してお礼を言ったが二人はミヨと同じ用に笑いながら
「彼処に倒れていたなら身寄りも無いだろう。解るまでここにいなさい」
と言ってくれた。
複雑な気持ちでいっぱいだった海原の心に少し光が出来た瞬間だった。しかし何処か海原の心にはまだ曇りがあった。だが父が読んでいた新聞の一面を見てその曇りが完全にとけた。父が読んでいた新聞の年表が『昭和14年3月21日』だったのだ。
海原は曇りが完全に晴れたと同時に愕然とした。自分は平成と言う平和な日本からとんでもない世界に来たと
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