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意識がはっきりしてくる。
僕は死ねなかったんだろうか?
僕の耳元で声がした。
よく知っている声。
ああ。こいつが僕から死を奪ったんだ…。
そう思ったのを最後に僕はまた深い眠りについた。
今度は死へと近づくための眠りではなく、体を休ませるための睡魔だった。
そんな睡魔を感じながら、僕はもう自分で死ぬような行為をすることはないだろう。
もう「彼」の思いを区別する必要があるのだろうか…。
もう「彼」を過去の人とするべきなのだろうか…。
今はまだわからない…
でも少しずつ、少しずつ、僕が変わろうとしているのは事実だろう。
死ぬためなんかじゃなく
生きるために……
終り
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