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エノテカでは、マスター特製のスパニッシュオムレツが、久保田の前に置かれた。
久保田は“だから飯はいいって”と呟きながらも、久々のマスターのオムレツを一口。
それから、あからさまに微妙な顔をした。
マスターが怪訝そうに、目で問う。
久保田は箸を置くと、口直しのようにワインを一口。
それから、ちょっとだけ不安そうなマスターを見た。
「由岐ちゃんのオムレツのが、旨い」
「が~ん(棒読み)」
マスターはぷいと、洗い場へと行ってしまった。
久保田は小さなため息をつく。
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