みなさんおかわりなく

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  由岐と優里菜は焼酎のグラスを重ねて、よくわからないものに乾杯した。     「だからね、誤解なのっ」   「ん、つか、落ち着いて話して」     キムチをつまみながら、優里菜が促す。     「先週、ほんと偶然、縞さんが会社に来てね。見た瞬間わかったんだ」       優里菜も驚いた、その久々に聞く名前に。     …縞さんは、うちの営業。   由岐が会社を辞める前後に付き合ってた、不倫相手。     優しい眼差しの爽やかな笑顔、を、由岐には見せるらしい。   優里菜は、どこか作った薄っぺらい笑顔しか見たことがなかったけど。   それが見る側の感性の問題か、由岐にだけ素の笑顔を見せてるのか、確かめたことはないけど。  
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