6741人が本棚に入れています
本棚に追加
エノテカはもうライトも落とし、ドアには[CLOSED]の札。
カウンターにはまだ、久保田の姿。
「とりあえず気になるから聞くけど。
あの狂犬は始末してきたんだろうね?」
マスターの不穏なセリフに、久保田は薄く冷笑を口元に浮かべると
「上海に連れてってしばらく向こうで一緒にやってた。日本人男性ってだけでもてるんだよ、知ってたか?」
マスターは微妙に嫌な顔をした。
「適当な女あてがったら落ち着いたってわけ?」
「勝手にくっついたんだよ、俺はノータッチ。けど子供できて幸せそうだったよ。上海に残るって言うから置いてきた。奥さん強いからちゃんと手綱握ってくれると思う」
久保田の冷ややかな微笑にマスターはため息をつきながら頷いた。
最初のコメントを投稿しよう!